診療科の将来性と現状

看護師の仕事は医療の専門化、需要の多様化もあって施設や診療科によって違いが見られるようになっている。よい職場に就職・転職するためには、自分に向いた仕事ができる環境かどうかをよく見極めておくことが大事である

特に重視したいのが将来性だ。看護師の将来性に関しては業界全体における部分と、看護師一人ひとりにおける部分に分けることができる。つまり今後需要の増加が期待できる診療科かどうかと、今後スキルアップや昇給が期待できる診療科かどうかだ。

ただ、もし将来性が期待できる診療科を見つけたとしても、その現場が人手不足の現状を抱えていると、なかなか厳しい面があるのは知っておいたほうがいいだろう。

小児科、産婦人科はその典型的な例だ。少子化が進んでいるといわれる一方で、この2つの診療科は現段階でも人手不足が問題となっている。そんな中で将来の需要がさらに増すことが確実視されている。

つまり需要という点では将来性に恵まれているわけだが、人手不足な分どうしても就業環境が厳しく、離職率が高いリスクを抱えることになってしまうのだ。

また、この2つの診療科は子供が好き、命の誕生に立ち会いたいといった性格的な適正が求められる部分があるだけに就職・転職の際にはよく検討したうえで判断することが重要である。その他、精神科や透析も需要が増えている点をみると将来性が期待できる診療科だといえる。

もし、スキルアップや昇給といった将来性を重視するのであれば、手術室やICUといったクオリティの高い技術力と確かなスキルが求められる診療科・部門がやはり理想的だろう。

しかし専門性が高いだけに、採用のハードルはやや高めだ。このように業界の将来性とキャリアの将来性の両方を踏まえたうえでバランスの取れた就職・転職先を探していきたいところだ。